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お坊さんの宅配便

副住職はネットショッピングが大好きです。一月に何度か最大手のアマゾンから荷物が届きます。仏教書であったり、靴下であったり。
そんなアマゾンで今年の初めに僧侶を定額で派遣するサービスの取扱が始まりました。多くの僧侶からは不安の声があがり、全日本仏教会が販売中止要請を行なったとニュースになりました。激安価格でお坊さんがアマゾンの段ボールで届く凄い時代です。でも需要があるから供給が生れます。
ここで考えるべきはネットで派遣される僧侶に読経を頼むことで葬儀ができてしまう事です。形だけの僧侶がいて形だけのお経があれば供養が出来るような事が起きるのは、本来大切であるはずのお経の意味や葬儀の意義、僧侶との関係性などが意味を持たなくなってきている事の表れだと思います。
皆さんにはなかなか意味がわからないお経をあげ、遺族や参列者に届かない法話する均質化された内容の葬儀にしてしまったのは、現代の僧侶のミスリードだと副住職とよく議論をします。必要な事は、あのお坊さんに葬儀をしてほしいと思って頂けることと、お寺の護寺に協力したいと感じていただける様なお寺作りに努力をしてゆくことではないかと考えています。

東光院新聞 2016年夏号より

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