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刃物に砥石 車に油 人の心に仏教

鈍き刀の骨を切る、必ず砥の助に因る。
重き輅の輕く走る、抑も亦油の縁なり。

にぶきかたなのほねをきる、かならずとのたすけによる。
おもきくるまのかくるはしる そもそもまたあぶらのえんなり。

【出典】三教指帰:空海作の宗教的寓意小説に仮託した出家宣言の書。仮名迄児の5人による対話討論形式の物語

現代語風

刀で骨を断つには砥石の、車は油の力を借りなければならない。
心の無い木や鉄でさえ助けがいる。まして心のある人であれば教えを仰ぐべきである。

日々の生活の忙しさや苦しさの中で、人は重く錆びて軽さや鋭さを失って行きます。
人を思いやるゆとりもなくなり、自分を高める力も無くなり、投げやりになってしまいます。
そのような時こそ、自分には仏の教えや人の縁が必要だと大事にする心が必要です。

東光院新聞 2017年秋号より

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