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彼岸と中道

彼岸(ひがん)と中道(ちゅうどう)

 悟りの世界である彼岸は西に、私達が生きている苦しみに満ちた世界である此岸は東にあり、太陽が真東から昇って真西に沈む春分と秋分は、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると昔から考えられ先祖や亡くなられた方を思って供養をするようになりました。これがお彼岸の由来です。「暑さ寒さも彼岸まで」 春の彼岸の頃には寒さも薄れ、秋の彼岸になれば残暑の厳しさもなくなります。農閑期でもあり年中でも最もすごしやすいこの時期は仏道の修行にもふさわしい時期として春分・秋分前後三日の一週間は彼岸とよび特に励むようになったのです。またこの春分・秋分の日は、昼と夜の長さが等しく、暑からず寒からずなので、中道を尊ぶ仏教の教えにもかないますね。
 中道とは、何事も極端に考えないということです。有る無い、好き嫌いということに偏らず、執着をしないと言うことです。悲しい、嬉しい、楽しい、苦しいと感じるのが人の情ですが、そのいずれにも囚われず執着せず、心を保つ。それが中道の精神です。現代はストレス社会と言いますが、実は医学的に見ると楽しい事もストレスなのだそうです。外部から刺激はストレスとなり心にも体にも負担になる。中道の「中」は二つのものの中間という意味ではなく、相反する二つのいずれからも離れ、執着しない自由な立場にあることです。美味しいご馳走も食べ過ぎはお腹を壊し肥満の元です。楽だからといって家でゴロゴロも身体に良くありません。運動するのが良いとはいえ急に激しい運動をするのも危険です。心も体も極端にならない。中道の根本は傲慢な心を持たないことと我に執着をしないことです。
 「暑さ寒さも彼岸まで」と言いましても、季節の変わり目です。 くれぐれも体調を崩されませぬようご自愛頂きながら今年のお彼岸は中道という考え方を少し心にとめてお過ごし頂ければ幸いです。

東光院新聞 2014年秋号より

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